完治までに時間がかかる現実

近年は、医学の発達によって、これまでは治らなかった病気が治る、あるいは、かなり深刻なケガを負っても、治癒までに要する時間が大幅に短縮されるなど、目覚ましい進歩が見られます。

これは、私たち一般人からすると、その多くが「喜ぶべきこと」であると感じると思います。

「怖い病気」などと言われるその根拠は、「治らない」とか、「その病気が即、死をまねく」といった事実、イメージが大きく作用していると考えるべきでしょう。

そんな「怖い病気」の中でも、たとえば「がん」を発症したといったケースでは、少し前までは、ほとんどの場合「死」を覚悟しなければならず、それはすなわち、「絶望の縁」に立たされなければならなかった・・・ということがいえるはずです。

ところが近年では、かなり末期的な「がん」であっても、治療が可能である場合が多いです。

ただ、病気、ケガによっては、「後遺症(後遺障害)」が残ってしまうケースも未だ珍しくはありません。

後遺症を完全に克服するまでの時間を含めて「完治」とするならば、病気にしてもケガにしても、治療時間が膨大になってしまうと考えなければならないケースも多いです。

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それでも「完治」、もしくは「完治にほど近い状態」まで後遺症を克服することができるのであれば、これは不幸中の幸いであったと考える必要があるかもしれません。

というのも、中には、現代医学では完治の見込みがない後遺症もたくさん存在するといわなければならないからです。

たとえば、おそらく多くの人が何らかの形で目や耳にしたことがあると思われるのが「脳梗塞」の後遺症です。

著名人でも脳梗塞から見事立ち直って、私たちに再び感動を与えてくれた人はいますが、しかし残念ながら、後遺症が残ってしまっているということがはっきりと見て取れてしまうこともあります。

他にも、ケガの手術による後遺症が原因となって、歩行不可能になってしまった例や、あるいは交通事故で一命をとりとめたものの、脳に障害が残ってしまうことで、結果として深刻なダメージを負ってしまったという結果を受け入れなければならないことも少なくなく、広義にとらえれば、このケースも「後遺症」ととらえることはできるでしょう。

今回は、そうした「病気・ケガと後遺症の関係」について、いくつかの実例を挙げながら説明していきたいと思います。

また、そのメカニズムや対処法、こころの持ち方、後遺症との付き合い方など、紙面の許す限り迫ってみたいと思います。

後遺症と後遺障害

病気、事故などによるケガをした場合、「後遺症(後遺障害)」が残ってしまう場合があります。

「後遺症」とは、病気やケガなどによって身体に何らかの障害を生じ、その障害が改善したにもかかわらず、その障害から派生する間接的な障害のことを指します。

これに対し、「後遺障害」とは、それが後遺障害であると認定されると、その重さによって「等級」に振り分けられる制度が確立されています。

つまり、一般的に言われる「後遺症」の中でも、特に症状が重く、公的な認定を受けた症状を「後遺障害」と呼ぶことになります。

後遺症、あるいは後遺障害というのは、特に交通事故によるケガがあった場合に、法的な基準として保険会社などが重視する項目でもあります。

たとえば、人身事故の際に、ケガおよびその後遺症について損害賠償請求することができますが、後遺障害と認定された部位、症状に関しては、後遺症の損害額請求とはまた別に、後遺障害として、認定等級ごとに損害賠償請求することが、制度上可能になっています。

後遺障害として認定される後遺症は、歩行をはじめとする移動に問題が生じる後遺症や、職業に影響(労働能力の喪失、もしくは低下)する後遺症などが主だったものです。